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執筆者の写真琢磨 徳安

知っておきたい! 女性アスリートの身体的特徴と、スポーツ外傷・障害の予防!



今回は”整形・災害外科 第65巻・第12号”より、『女性アスリートのサポートを考える』という特集で紹介されたいた、整形外科医の立場から考える女性アスリートの身体的特徴とスポーツ外傷・障害予防をご紹介します😁


当院も3名の女性アスリートと契約を結ばせていただき、コンディショニングやパフォーマンス向上を目的としたエクササイズなどを行いサポートさせていただいており、非常に興味深い特集ですが、よく言われる、いわゆる”女性アスリートの三主徴(①利用可能エネルギー不足、②視床下部性無月経、③骨粗しょう症)”ではなく、外傷・障害に関する特徴についての内容になっています😉


外傷・障害というと様々なものがありますが、実は男女によって発生率の高い外傷や障害があるようです😅

これは、サッカー選手でのデータだそうですが、男性サッカー選手では筋腱損傷が多く、女性サッカー選手では関節・靱帯損傷が多いそうです!

また、筋腱損傷の中でも、下腿三頭筋(ふくらはぎ)の肉離れでは男女差はほとんど無いようですが、ハムストリングス(ふとももの後面)の肉離れが男性に多いのに対して、女性では大腿四頭筋(ふとももの前面)の肉離れが多くそうです😲

また、女性アスリートで特徴的なのは、ACL(膝前十字靭帯)損傷が男性アスリートと比べ2倍以上も多く発生しているとのことです!


競技によって発生しやすい外傷・障害などの特徴があるのはよく認識されているところですが、同一競技の中でも男女で発生率が異なってくるというのは、やはり男女での身体的な特徴が大きく影響していると言えそうです😰

では実際には男女でどのような点が違っているのでしょうか?? ちょっと確認していきましょう!(※データは男女のサッカー選手によるものです)

1.体格

 → 男性;筋量、骨量が多い ,女性;体脂肪量、体脂肪率が高い

2.関節弛緩性

 → 男性;思春期の前後で大きな変化なし ,女性;思春期以降に関節弛緩性が高くなる

3.筋の柔軟性

 → 女性の方がハムストリングスとヒラメ筋の柔軟性が高いが、腸腰筋の柔軟性は低い

4.筋力

 → 女性の方が大腿四頭筋、ハムストリングス、中殿筋が弱く、H/Q比(ハムストリングスと大腿四頭筋の筋力比)も低い

5.バランス能力

 → 女性の方が片脚バランステストのバランス能力が高かった

6.身体の使い方

 → ACL損傷のリスク評価で用いられるDVJテストでは、女性の方がジャンプ着地動作時に膝や股関節の屈曲角度が少なく、身体がややたった状態だった

7.解剖学的特徴

 → 女性は出産に備え身長に比して骨盤幅が広く、そのために大腿四頭筋と膝蓋腱で成されるQ角(膝関節部での外反角度)が大きくなっている

 → 女性の方が脛骨関節面の後方傾斜角が大きくなっている


以上が、サッカー選手でのデータにはなりますが、男女での身体的な特徴です!

【2.関節弛緩性】や【6.身体の使い方】、【7.解剖学的特徴】などは、サッカー以外の競技でも女性アスリートには同じような特徴がみられると思われますので、スポーツ外傷・障害の予防のためのヒントになると思います!

スポーツ外傷・障害の中には、選手自身の持つリスク因子(内的因子)が原因となっているものもあり、その内的因子は適切なエクササイズにより予防することが可能な場合もあります!

実際に、FIFA(国際サッカー連盟)が作成したスポーツ外傷・障害予防のためのウォーミングアッププログラム『FIFA 11+』を、10~12歳の女性サッカー選手に週2回、7~8週実施したところ、前述のDVJテスト(ACL損傷のリスク評価で用いられるテスト)で両脚着地の膝外反が改善されたとのことで、ACL損傷のリスクが45%も低下するとの報告があるそうです😝


いかがでしたか!?

今回はアスリートの身体的特徴とスポーツ外傷・障害予防についてご紹介しましたが、スポーツ外傷・障害は様々な要素が複雑に関連して発生するため、その原因の特定が難しく、しっかりとした知識・技術・経験が必要になります!

鳥栖スポルト接骨院は、専門学校の非常勤講師として最新の知識・技術を身につけ、トレーナー活動を通して豊富な経験を積んでいます!

スポーツによるケガや痛みなどの症状でお悩みの方は、ぜひ鳥栖スポルト接骨院にご相談ください!


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