膝まわりの痛み
オスグッド・シュラッター病
(成長期の膝部障害)
(鳥栖市在住/男子中学生)
この患者さんは、スポーツ活動時に膝を打ったのがきっかけで痛みがでたとのことですが、それ以外の原因としてオスグッド・シュラッター病が疑われました。
本症は、大腿四頭筋の過度の収縮を繰り返すことにより膝蓋腱の脛骨付着部(すねの骨に沿って膝の方に上がっていくと膝関節の手前で一番出っ張っている部分)が機械的刺激を受けて発症し、脛骨粗面部の運動時痛と骨の膨隆を生じます。
オスグッド・シュラッター病は、
・スポーツによる使い過ぎ overuse から発症することが多い
・クラブ活動をしている12~13歳前後の男子に好発する
と言われていますが、骨が成長しきっておらずスポーツの運動強度が強くなってくる中学生・高校生ではきちんとケアができていないと、いつでも発生する可能性はあります
【症状・診断】
脛骨粗面部の運動時痛、膨隆、圧痛があり、歩行時でも軽い痛みがありました。
安静時痛はほとんどありませんが、圧痛が著明で、疼痛誘発テストで痛みが再現されました。
【治療について】
◆一般的な治療法◆
・症状が比較的軽い場合
スポーツ活動を制限させたり
ハムストリングスや大腿四頭筋のストレッチングや器具装着などで経過を見たりします
・症状が強い場合
炎症がおさまるまで局所の安静を保つために膝を伸展位に保ち
スポーツ活動を禁止するというのが一般的な治療になります。
◆当院での治療法◆
当院ではスポーツ活動をしながら治していきたいという患者さんの希望が多いため、独自の治療理論に基づいた物理療法と運動療法で、”極力スポーツ活動を制限せずに”治療を行っていきます😊
院長が所属する少年サッカークラブチームでも、以前はオスグッド・シュラッター病の症例は非常に多かったのですが、現在ではあまりいません。なかには数か月にわたり病院や他の整骨院に通っても症状の改善が見られなかった症例もありましたが、当院の治療理論に基づいた治療によりきちんと治しています。
オスグッド・シュラッター病に対する物療療法としてLIPUS(低出力パルス超音波治療)を選択しています
LIPUSは本来、骨折後の骨癒合促進の効果があり、整形外科ではLIPUSによる治療に対して、保険点数がつくほど、その効果は信頼性があります
近年では筋肉・靭帯・腱などの軟部組織に対する治療効果の研究が進められており、軟部組織に対する効果も証明されています
接骨院(整骨院)でLIPUSを導入している施設は、それほど多くないと思われますが、当院では様々な外傷・障害に対し標準的な保険治療の一部としてLIPUSを使用しています。