太ももまわりの痛み
筋挫傷(打撲・打ち身)
(基山町在住/男子中学生)
この患者さんは、左太ももの痛みで来院されている方です。
サッカーの試合中に相手選手の膝が太ももに衝突し負傷したとの事です。
問診、視診、触診、検査などを行ったところ、軽度の“筋挫傷(きんざしょう)”だと思われました。
”打撲”や”打ち身”と言われると大したことがないように思いますが、きちんと処置をしなかったり、無理をして運動を続けていると「骨化性筋炎」と呼ばれる状態に進行してしまうことがあります。
「骨化性筋炎」になってしまった場合、長期間運動ができない状態になったり、日常生活でも支障をきたすことがあるので、注意が必要です😞
写真①
わずかですが左側の太もも腫れてみえます。
実際に太ももの周径を測ると約5ミリほど差がありました。
写真②
うつ伏せで膝がどれくらいまで曲がるか(どれくらい曲げると痛みがでるか)確認します。
90°以上曲げられるため、損傷の程度は軽度であると判断されます。
ほとんどの“筋挫傷”は表面ではなく、骨に近い深部で損傷が起こることが多いです。
また初期に行うアイシングは、同じ筋の損傷である“肉ばなれ”とは、その方法(体勢)が正反対になります。
この患者さんは、損傷から3日以上経過していたため超音波(温熱作用)による物理療法を行いました。超音波療法には温熱作用と非温熱作用とがあり、状態により使い分けることが必要です。
写真③
この患者さんの場合、太ももの深部の損傷が考えられますので、温熱作用の中でも最も深部まで加熱することのできる超音波を選択しました。
その後ストレッチなどの施術を行い、最終的に踵がお尻についても痛みが出ない状態になりました。
可動域(曲がる範囲)は改善しましたが、損傷部が治ったわけではないので、しばらくは継続した治療が必要です。
痛みなどの様子をみながら、軽めのメニューの練習は参加をしてもらうようにしましたが、最低限テーピングを行った状態でやってもらうようにしました。
写真④
写真⑤
今回のような“筋挫傷”は初めのアイシングが競技復帰までにかかる時間に大きく影響します。しかし、同じ場所で起こる“肉ばなれ”とは正反対の方法(体勢)になるため、どちらの損傷なのか、もしくは別の損傷なのかどうかの正しい判断が必要となります!!
鳥栖スポルト接骨院では受付時間外でも電話がつながるようにしておりますので、休日の試合中にケガをした、夜間のナイターでの練習中にケガをしたなど、初期の処置で困った場合は、お気軽にご連絡ください。
その時の状況により、出来る限りのアドバイスを行います。