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肘まわりの痛み

野球肘(内側型)

(鳥栖市在住/男子小学生)

 この患者さんは、1か月ほど前から投球時の肘の痛みで市内の整骨院で治療をしていた患者さんです。少し前から練習の許可が出て練習に復帰しているそうですが、依然として肘の痛みがあるため、親御さんよりご連絡があり当院に来院されました。

 患者さんは市内の少年野球チームで投手をしており、肘の痛みはいわゆる“野球肘”と呼ばれるものです。一言で“野球肘”と言っても、原因となる病態は様々です。大きく簡単に『内側型』と『外側型』、『後方型』の3種類に分けられます。

 この患者さんは肘の内側に痛みを訴えており、最も多い『内側型』の野球肘であると思われます。『内側型』の主な原因になるものには、さらに骨(疲労骨折など)によるものや筋肉・腱によるもの、靭帯によるものに分けられます。

これまでの経過や症状で判断する限りでは骨の原因は可能性が限りなく低いので、それ以外の筋・腱の原因か靭帯の原因かを確認するため圧痛(押したときの痛み)の出る場所を確認するために、1カ所ずつ肘周辺を押したり、肘の内側にストレスをかけるような検査を行いました。

治療内容やその経過も原因を推測する重要な情報になるので「通っていた整骨院では、何が痛みの原因って言われたの? どんな治療をやっていた?」と尋ねたところ、「『野球肘』としか言われてない。治療は、肘の内側に超音波をしてマッサージ。」との事でした。

 治療の場所から推測すると靭帯が痛みの原因であると判断して治療していたようでしたが、圧痛の範囲からすると筋・腱の方が原因としては考えられたので、痛みを出していた筋をいくつかストレッチして再度圧痛を確認しました。ストレッチ後には圧痛はほとんど消えていました。圧痛が消えたため、試しに重りをボールに見立てて投球動作をやってもらいました。(以下、動画参照)

 来院時は痛みのために30%の強さ(投球動作)で練習を行っているとのことだったので、まずは30%の強さで投球動作をやってもらいます。確認したところ、痛みはないようです。

続いて50%の強さで投げてもらいます。これも痛みは出ないようです。さらに強度を上げて80%の強さで投げてもらいます。まだ痛みは出てこないようです。最後に100%の強さで投げてもらいます。100%でも痛みは出てきませんでした。

 もう一度、肘の圧痛とストレステストを行ってみます。圧痛はありませんが、ストレステストでは少し痛みがでました。まだ完全に靭帯の原因も否定はできませんが、痛みの大きな原因はどうやら筋・腱にありそうです。また、今回のような段々と痛みの出てくるスポーツ障害と呼ばれるものは、痛みの出ている部分以外に根本的な原因が隠れていることが多く、肘以外の部分にも評価が必要になります。

 来院初回で投球時の痛みがなくなったことにご本人も親御さんも驚かれていましたが、投球動作自体を確認していかないと再発を繰り返すことになり、最終的にはより重篤な『外側型』の野球肘に移行してしまいます。

スポーツ障害に限らず、きちんと原因を判断できればそれは結果として現れます。ですが、きちんと判断するためには、より多くの選択肢を持てる知識と、多くの臨床的な経験が必要となります。だからこそ当院では年間を通じて、実際にスポーツの現場でトレーナーとして活動し、また、勉強会を主催することで日々知識・技術を磨いています!!

スポーツのケガや痛みでお困りの方、また他の施設へ行っているけどなかなか良くならないなど、ぜひ一度当院へご相談ください!!

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