膝まわりの痛み
腸脛靭帯炎(ランナーズ・ニー)
(鳥栖市在住/男子中学生)
この患者さんは、膝関節付近の痛みで来院されている方です。
現在は日常生活で痛みを感じることはあまりありませんが、クラブ活動時に膝関節の外側辺りに痛みが出るとのことです。
問診や触診、検査などを行いスポーツ障害の一つである“腸脛靭帯炎”という亜急性損傷だと思われました。
“腸脛靭帯炎”とは大腿骨(太ももの骨)の外側上顆と言われる外側に出っ張った部分と、腸脛靭帯と呼ばれる組織との間で、過剰に摩擦が生じることで起こるスポーツ障害です。
長距離のランニングやサイクリング、ジャンプ系の運動を多く行うスポーツ選手によくみられるもので、
“ランナーズ・ニー(ランナー膝)”とも呼ばれることもあります。
主な原因には腸脛靭帯に関係している筋の過緊張や、股関節や膝関節のマルアライメント(不良な位置関係)などがあります。
この“腸脛靭帯炎”の検査の一つに「graspingテスト(グラスピング・テスト)」というものがあります。
この動画のように、痛みがある部位の少し上で腸脛靭帯を圧迫して、膝を曲げ伸ばしすることで痛みが再現されるものが陽性となります。
純粋に腸脛靭帯に関係している筋の過緊張が取れれば痛みは緩和されていくのですが、この様なスポーツ障害の多くは根本的な原因となっているものがあり、その原因により筋の過緊張が引き起こされているケースが多く、筋に対するアプローチのみでは再発することが多くあります。
この患者さんはマルアライメントと言われる状態で、健側(痛みがない方)と比べて患側の“Qアングル”という角度が小さかったため、“腸脛靭帯炎”を生じやすい状態でした。
膝関節周辺の痛みで、他の施設へ通っているけどなかなか良くならない、一時的によくなるけど再発を繰り返すなどお困りの方は、ぜひ一度当院へご相談ください。