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『暑さ対策における水分補給』の最新情報をご紹介!



 今年は異常なほど暑い毎日が続いていますが、この様な環境において水分補給は勝敗だけではなく生命をも左右する要因になってきます。

ヒトが正常な生理的機能を維持するためには、体内の水分の量と組成が適正な範囲内に保たれなければいけません。つまり暑熱環境において水分補給が生命やパフォーマンス発揮のために、非常に重要になります。

ちなみに…

 ★体液の量は性別や年齢によっても変化し、おおよそ以下の通りです。

  ・成人男性→体重の約60%(体重が60㎏の男性の場合、約36㎏)

  ・成人女性→体重の約55%

  ・子供  →成人よりも高い(新生児では約80%)

  ・高齢者 →体重の約50%

 ★脱水が2%以上になると、脱水が1%増すごとに深部体温が約0.3℃上昇し、心拍数は約10拍/分上昇すると言われています。

【効果的な水分補給の方法】

(1)補給する水分の成分

・0.1~0.2%程度の食塩水+4~8%程度の糖質

・市販のスポーツドリンクは互いの特徴を出す目的もあり、様々な組成の違いがある。

 塩分濃度を確認するには、栄養成分表示に書いてあるNa⁺の量を確認し『Na⁺量(mg)×2.54』で計算できる。

・糖質は、ブドウ糖に対する果糖の割合が多いと水分の摂取量が悪くなる。

市販のスポーツドリンクを水で2~3倍に希釈して飲用する場合、水のみを加えると塩分濃度が低下してしまい、水分補給には適さなくなってしまうため、水と同時に塩分も補給する必要がある。(1Lの水に1gの塩分を加えると0.1%塩分濃度が上昇)

脱水の速やかな回復を目的とする場合は、スポーツドリンクよりも塩分濃度が高く、糖質濃度の低い経口補水液(0.2~0.3%の食塩水+4~8%程度の糖質)

・マラソンなどの長時間の運動や多量の発汗をともなう運動では、水(ミネラルウォーター)など塩分濃度の低い飲料のみを摂取していると、血液中のNa⁺濃度が低下し、熱けいれんや意識障害を起こす『低ナトリウム血症』を起こす危険がある。

(2)水分の量や、温度など

 できれば運動前後の体重の変化から脱水量を把握し、1時間以内の運動では脱水量の70~80%を補給し、1時間以上の運動では体重の2%以上の脱水を起こさない量を補給するのが望ましい。

 (おおむね、1時間で500~1,000mlを2~4回に分けて(200~250ml/1回)摂取するのが推奨されている。

・飲料の温度は、以前は“常温や温かい飲料の方が消化吸収が速い”と言われていましたが、最新の研究では冷たい飲料(5~15℃)の方が消化吸収が速く脱水で失われた体液量の回復が速いという結果が出ています。さらに、冷たい飲料の場合体内から直接体温を下げる効果があり、暑熱環境では効果的で推奨されます。

・私たちのカラダは、ある程度の脱水が起こるまではのどの渇きを感じませんが、のどの渇きを感じてからの水分補給では、自律神経の反射作用により一時的に血圧が低下し、パフォーマンスの低下が起こってしまいます。

そのため、のどの渇きを感じる前からのこまめな水分補給が推奨されます。


(3) 運動前、運動後の水分補給

運動開始前には、250~500mlの水分を摂取し脱水状態を改善しておくことが推奨される。

 (運動開始が早朝の場合は、前日の就寝前までに改善しておくことが望まれる)

運動後の水分補給の際にタンパク質と糖質を摂取することで暑熱順化(暑熱環境に対しカラダが順応する能力。主に循環調節機能と体温調節機能)の作用があることも研究によりわかっています。

※運動後に食物によるタンパク質や糖質の摂取が難しい場合は、タンパク質や糖質が含まれた飲料で補給する方法もあります。

【まとめ】

(1) 0.1~0.2%程度の食塩水に4~8%程度の糖質を加えた糖質・電解質飲料が推奨される。

(2)経口補水液(0.2~1.3%程度の食塩水+2~3%程度の糖質)も有効的である。

(3)糖質の比率は、ブドウ糖よりも果糖の割合が高くならないように気を付ける。

(4)冷たい飲料(5~15℃)飲料を補給する。 ※お腹が緩くなる人は注意が必要

(5)のどが渇く前からこまめに補給する。

(6)体重の2%以上の脱水を起こさないように十分な量を補給する。

(7)市販のスポーツドリンクを水で割ると塩分濃度も変化してしまうので、注意が必要。

(8)汗よりも塩分濃度が低い飲料(ミネラルウォーター)を補給する場合は、のどの渇きを指標にし、飲み過ぎないよう気を付ける。

(9)運動後には水分の補給と合わせてたんぱく質や糖質を摂取することで暑熱順化の効果が期待できる。

いかがだったでしょうか?

ひと昔までの常識が間違っていたこと、もっと効果的な水分補給の方法があることが最新の研究で分かってきました。

あなたの周りの方にも『意外と知られていない水分補給の豆知識』を教えてあげてくださいね😃

他にも熱中症に関する情報もブログでご紹介していますよ。

ぜひこちらももご覧ください。

・熱中症対策にどうぞ→ goo.gl/p5yCtH

・持っておくと便利!熱中症対策にもいかがですか?→ goo.gl/XurmWM

暑い暑い2018年夏!!🌞

正しい知識で乗り切りましょう!


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