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執筆者の写真琢磨 徳安

野球⚾、バレーボール🏐、テニス🎾などの”オーバーヘッドスポーツ”による肩の痛み! ぜひ当院にご相談ください😉



新学期も始まり、新入生の子どもさんたちも部活動が始まったころじゃないでしょうか??

さて、スポーツにも色んな競技種目がありますが、今回は野球、バレーボール、テニス、バドミントン、陸上(やり投げ)、水泳などの”オーバーヘッドスポーツ”にみられる肩の痛みについて、Monthly Book Orthopaedics(2022年2月号;全日本病院出版会)の最新情報を踏まえてご紹介したいと思います!


さて、まず初めに大前提ですが、小学生~高校生などの子どもさんに肩の痛みが出るのは普通ではありません!

ある程度の年齢になってくると肩周囲の痛みを感じることが出てくると思いますが(※本当は、これにもちゃんと原因があります。決して”年のせい”ではありません。)、子どもさんの年齢で起こる肩の痛みは、スポーツなどによる繰り返しの動作によって起こり、明らかに肩周囲の構造や機能に異常が生じている結果として痛みが出てきます😥

また、小中学生では身体の成長機能も著しく、安静によって症状が改善するケースも多く見られますが、繰り返しのスポーツ動作に原因があることが多いため、その根本的な原因を改善しないと再発もしやすいため、安易に”運動→痛み→安静→改善→運動→痛み→安静…”を繰り返すことでより原因の特定を困難にしてしまい、必要以上に改善に時間がかかってしまうことが多いのが現状です😱


では、その頻度はどれくらいなのでしょうか??

実は、全スポーツ種目でどのスポーツがどれくらいの頻度なのか、という研究・調査は見当たらないためわかりませんが、野球における、小学生を対象としたある研究・調査によると、約7.2%に肩痛の既往がみられ、診察やエコー所見ではリトルリーグ肩(上腕骨近位骨端線損傷)が疑われたとの事です😥

また、場所は限定的ではありますが、仙台市内の中学高野球部に所属している117名に対して行われた検診では、肩痛の既往は18%(21名)にみられ、学年が上がるにつれて成人の投球障害肩にみられるインターナル・インピンジメント(PSI;肩後方の痛み)や胸郭出口症候群(TOS)の所見が含まれていたそうです😱

あくまで野球での頻度にはなりますが、結構多いですよね…。


続いて、成長期の”オーバーヘッドスポーツ”にみられる肩の痛みの原因には、どのようなものがあるのでしょうか??

①リトルリーグ肩

・日常的に最も多くみられる小中学生の投球障害肩(上腕骨近位骨端線損傷)

・11~14歳の小学校高学年から中学生前半に多くみられる

・投球による繰り返しの物理的ストレスに、成長期ならではの上腕骨近位の骨端線の脆弱性や軟部組織の柔軟性を素因として物理的ストレスを増強させることにより生じるち考えられている

・痛みのない小学生野球選手でも投球側と非投球側を比べると投球側の骨端線の幅が広いことが報告されており、画像検査だけによる診断は誤診の危険性がある

・ほぼ全例で肩甲帯機能低下と下肢のタイトネスを伴っており、これらの機能低下を回復させることが重要になる


➁肩峰骨端線閉鎖不全(Os acromiale)

・通常では15~18歳で閉鎖する肩峰の骨端線が何らかの原因により閉鎖せずに残ってしまっている病態

・そのほとんどが無症候性

・オーバーヘッドスポーツ選手の肩痛の原因の一つとなりうることが指摘されている

・ある研究では、15~25歳の2,372例の投球障害肩のMRIでは、2.6%でその存在がみとめられている

・症状は、運動時だけではなく夜間痛、可動域制限、筋力低下なども生じるとされている


③胸郭出口症候群(TOS)

・その95%が神経原性による原因

・野球で多くみられ、投球動作中に投球側の上肢を挙上することが誘因となり、腕神経叢が牽引、絞扼、圧迫されることにより神経症状を呈する

・主に肩前面~外側に痛みを訴える

・痛み以外にも多彩な症状(安静時での症状、腕のしびれ、腕の重だるさなど)を呈し画像での器質的変化に乏しいため、神経が原因となる疾患を疑わないと診断にはたどり着けないと言われる

・高校生以上では尺骨神経障害(肘部管症候群)との鑑別を要する局所的な症状で来院することが多い

・中学生では投球時の手のしびれや、肩の挙上困難など比較的重い症状で来院するケースが多い


➃四辺形間隙症候群(クアドリ・ラテラルスペース・シンドローム;QLSS)

・腕神経叢から分岐した腋窩神経が四辺形間隙と呼ばれる部分を通過する際に障害され症状を誘発すると考えられている

・肩後方の痛みを訴える

・胸郭出口症候群(TOS)と同じで、痛み以外にも多彩な症状(安静時での症状、腕のしびれ、腕の重だるさなど)を呈し画像での器質的変化に乏しいため、神経が原因となる疾患を疑わないと診断にはたどり着けないと言われる


これらが主な原因なりますが、これらを見逃さないためには”オーバーヘッドスポーツにこうした疾患が生じることを前提に診察する”ことが重要になります!

ただ痛みのある部分の周辺をマッサージするだけの整骨院では、非常に改善は難しいだけでなく、むやみに症状を長期化させることでより病態を複雑化し、必要以上に改善に時間がかかる原因にもなります😥


オーバーヘッドスポーツによる肩の痛みは、ぜひスポーツを専門的に診ることができる鳥栖スポルト接骨院にご相談ください😉


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